絵画 油彩画

  • 藤田嗣治  (1886-1968)
  • フジタ、ツグハル
  • 昭和15年 / 1940
  • 油彩・キャンバス・額・1面
  • 81.0×100.0
  • 左下に署名、年記、書込み
  • 27回二科展(「争闘」) 東京府美術館 1940

78

Cats
1940(昭和15)年
油彩、麻布 81×100cm
oil on canvas
第27回二科会展
藤田は裸婦と同じように、猫を愛し、モティーフとした作品を多く残している。おそらく一方で媚びを売るがごとく穏やかで素直な反面、時として牙をむいて襲いかかる猛々しい性格は、藤田のなかで女性のそれと二重写しになっていたであろうし、人にけっしてなつかぬ独立心の強さは、藤田自身の性格に似ていないでもない。この作品は1940年の第27回二科展に〈争闘〉と題して出品されたものである。藤田は猫の習性や動きを熟知しており、ほぼ円形状の構図の中に、さまざまな姿態を見せて争いからみあう猫を、日本画の毛描きの技法などを応用しながら、巧みに表現している。ただ、その姿態の表現の上で、初期の猫にくらべて後年のそれは大きな誇張が見られ、この作品ではやや怪奇な印象さえ与える点は、藤田の興味が猫の内にひそむ野性的で、悪魔的なものへと移っていったためとも思われる。画面左下に「嗣冶 Foujita 1940 Paris」とあることから、前年パリにもどりながら、翌年5月戦火を避けて帰国の途につくまでに制作されたものであることが知られる。

猫

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