物体

絵画 油彩画

  • 鶴岡政男  (1907-1979)
  • ツルオカ、マサオ
  • 昭和35年 / 1960
  • 油彩・合板・額・1面
  • 182.5×275.5
  • 右下に署名、年記
  • 4回現代日本美術展 東京都美術館 1960

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物体
Substance
1960年
油彩・ベニヤ板 182.5×275.5cm
自由美術家協会に合流して一連の代表作を制作していた頃、鶴岡政男はある座談会で、「日本の絵は物を描かないで、事ばかり描いている。事は物を通して表さなければ描けない」という趣旨の発言をして、話題になった。ストーリーや事物の表面ではなくて、物の核を、つまり存在の核を描かなければならないというのが、鶴岡の言わんとしたことであろう。この作品《物体》の英訳がObjectではなくて、Substance(実体)であるのも、そのことを明瞭に示している。鶴岡の作風は、1950年代終り頃までの具象的な時期と、それ以降の抽象的な時期とに二分できるが、この造形思想に変化はなかった。《物体》は、具象的な時斯が終って、のびやかな形態の抽象的作品が出てくる時期との、ちょうど中間くらいの頃に生まれたもののひとつである。すなわち、重苦しい時代を反映している具象的な様式の名残りを多分に残しながら、なんらかの形態を形態としてのまとまりをもたせたまま描くことはもはやできず、いわば形態が四散してゆく、そういう時代にあって、鶴岡も時代も次の表現形式を模索していた。そこに生まれた作品のひとつ、ということができる。ザラザラした肌含いの地の上に、細長いモザイクのようなタッチが、解体していくように、あるいは新たに何かをリズミルに形成するように、動く。崩壊と形成、暗と明が、ひとつの画面上でドラマを成している。

物体

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