能装束〈紅地花唐草入菱繋文唐織/〉 のうしょうぞく〈べにじはなからくさいりひしつなぎもんからおり〉

工芸品 / 安土・桃山

  • 桃山
  • 表は紅地の経三枚綾地に花唐草入菱繋の文様を十色(白、浅葱、鶸、萌黄、緑、青緑、濃淡の紺、濃淡の紅)の絵緯糸で表した唐織。裏は紅の節絹を用い、間に薄綿を入れた袷仕立て。身幅に比べて袖幅が狭く、袖口は狭い。襟幅が広く、衽下がりが少なく、衿下が短い。文様は、三重の入子菱を全面に割り付け、菱の中には菊花様の八弁花と唐草を収め、菱と菱の間には卍字菱、入子菱、小花菱を順次並べて、辻に六弁花を据えた襷文様とする。
  • 身丈144.0  裄61.0 
    後幅38.5 袖幅22.5 袖丈53.0 袖口19.0
    衿肩あき8.5 襟幅15.0 衽下がり9.0 衽幅21.6 衿下39.0 (㎝)
     
  • 1領
  • 重文指定年月日:19840606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 八幡神社
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 滋賀県の湖東、永源寺よりさらに愛知川をさかのぼった鈴鹿山系の谷間にある、政所の八幡神社に伝来した能装束である。唐織は一般に綾地に何色もの色糸を用いて文様を織り出し、あたかも刺繍のように見える織物で、桃山時代には貴重な高級品として扱われた。この八幡神社に伝わる唐織は、紅色を基調に多彩な色糸で花唐草入りの菱繋文様を表したもので、多彩な色糸で画一的な文様に変化を与えつつ破綻なく織り上げている。保存状態もよく、形態的にも桃山時代の特徴を示している。
 またこれと同時に伝わった繍箔の肩裾小袖も同じく能装束として用いられたもので、形態、意匠、技法など、同時代の特色をよく示している。
 唐織・繍箔肩裾とも技術、意匠に優れ、桃山時代の能装束の様相を示す貴重な遺例である。

能装束〈紅地花唐草入菱繋文唐織/〉

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