三躯ともに像身から台座の蓮肉、葺軸【ふきじく】、心棒などまでを含めて檜の一材から丸彫りしたもので、中尊のうず高い螺髪の下の森厳な面相と厚い膝、脇侍の幅の広い短小な体躯と頂を花形にたばねた髻【もとどり】、また各台座の丈高い蓮肉に十二方三段に葺かれる挿蓮弁の形成など、平安時代も早いころの様風をよくのこしている。しかし一見豪放に見えながら、思いのほか肉取りに抑揚が少なく、彫り口もおとなしくなっている点が注意され、本三尊の製作は九世紀末ないし十世紀初頭ごろに位置づけるのが妥当のようである。ともあれ、平安前期の遺像中異色ある作品で、この地方で最も注目すべき古像といえる。