金峯山寺二王門 一棟
二王門も本堂(国宝)とともに建立されたものであって、現在寺院に保存されている風鐸に、「金峯山二王堂、康正二年(一四五六)九月日」云々の刻銘をもつものがある。なお二王像は胎内銘によって、延文二年(一三五七)の造立であるが、康正二年には彩色を行ったことが知られる。
規模の大きな三間一戸の二重門で、全体の姿はやや重厚の感がないではないが、上重、下重とも三手先組物を組んだ形式は正規の方式にのっとっている。下重中央間には蟇股と双斗とを組み合わせたものを飾り、内部虹梁上にも蟇股を入れる。これらの細部は手法が優れている。中世は一階組物で二階の廻縁を支えたいわゆる楼門が一般的となり、腰屋根をつけた二重門はあまり存在しないが、その中でこの門は二重門の代表的な遺構として、価値が高い。
【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)