〓頭【ぼくとう】をかぶり、袍をつけ、杖を握って立つ男神像で、像高二メートルを超える巨体を桂の一材から丸彫りしているが、面相部のみ同じ桂材で造って矧付けている。太く長い眉を八の字に寄せ、眦【まなじり】を下げ、眼をやや瞋【いか】らせる面貌は甚だ異色である。眉、髭、鬚にはもと植毛がなされていたらしい。一木造ながら単に量感を誇示するだけではなく、簡略で自然味の増した体躯の肉取りや形式化した衣文の表現から、制作は十一世紀前半と考えてよかろう。わが国の神像中最大の作例であり、個性豊かな古像として注目される。