松原恭譲(一八六八~一九四〇)は学問寺としての伝統をもつ東大寺の華厳宗勧学院の講師として、大正九年(一九二〇)から死去直前までの二十年間にわたり華厳宗の経論などを講義した。昭和六年、大谷大学教授となる。諸学の研究のため蒐集した仏書資料は、江戸・明治時代の和本を中心に、総数千九十点に及ぶ。特に華厳経の註釈書が多く、研究のための書き入れがある。一部に稀覯本や明本も含まれる。
諸宗にわたる近世仏書資料群として学術的に価値が高く、また所有者における閲覧・管理体制が整備されており、今後の活用が期待できる。