諸戸家住宅は,米の売買,土地経営などで財をなした初代諸戸清六が居宅兼事務所として建設したものである。
主屋は主体部,仏間,茶室,洋室からなり,主体部は明治20年頃,ほかは明治から大正期の建築である。広間は棟札より明治24年の上棟とわかる。玄関及び座敷,洋館なども同時期と考えられる。
主屋の主体部は木造一部二階建,寄棟造,本瓦葺である。広間は入母屋造,桟瓦葺で,内部は32畳の主室と24畳の次の間などからなる。
伝統的な意匠・技法を基調にまとめられた豪奢なつくりの主屋や広間などが,明治中期の洋館や精緻な意匠になる主屋洋室などと違和感なく融合している。
諸戸家住宅は,質の高い近代の邸宅建築として,重要である。