天神、即ち菅原道真の等身の神体像である。瞋怒の情を表し、両肩をそびやかし袖を大きく左右に張って安定よく坐す姿態からは気魄と神像らしい厳しさが感じられる。像内の銘文によって、弘長元年(一二六一)荏柄神主平政泰が願主となって造立したことが解り、しかも像内には脊椎骨や体毛の数なども書いている珍しい遺例で、東洋の解剖学の歴史の上でも貴重な資料である。
附の天神立像は、主神の左右に十一面観音像と共に祀られていたと伝えられる。製作は南北朝頃と推定されるが、当社における天神像の特殊な安置状況を知る上で貴重である。