固山一鞏【こざんいつきょう】(一二八四~一三六〇)は東福寺開山円爾弁円の法孫で、東福寺・天竜寺に住持した南北朝期の代表的禅僧である。この修正会看経榜は東福寺における正月の修正会に際して堂内に掲げるために、特に大書された看経榜である。上巻から下巻の初めにかけて法会の文疏を大字で書し、次に看読すべき大般若等経の役僧衆名を二段に列記し、最後に看誦、勧修すべきことを大書している。もとは一巻で、各料紙継目上部に「〈佛法/僧寳〉」の朱方印を捺している。上巻文中の記事から、この看経榜は貞和三年(一三四七)正月、一鞏の揮毫にかかることがわかる。本巻は遺存まれな看経榜として、また雄渾な固山一鞏墨蹟として注目される。