書跡・絵画の伝統的修理(=装〓)【そうこう】には、各時代の多種多様な本紙【ほんし】の欠損部分を補修するいわゆる「繕【つくろ】い紙【がみ】」として、様々な種類の本紙に似寄の和紙が必要不可欠である。現在に至るまで、修理物件の性質を考慮して、多くの場合、江戸時代以降の古い時代紙【じだいがみ】を入手して本紙の繕い紙に充てていたが、その入手にば限界があり、しかも、近年では、古文書など、一時に大量の補修紙を必要とする修理を行わざるを得ない状況にある。
このため、今後は伝統的手漉和紙の製作技法により、多種多様な本紙に合致する種類、厚さ、簀目の細かさ、光沢の有無などの様々な要求に応える繕い紙の復元、製作技術が必要である。