絵画 / 江戸
本図は江戸の文人画家の中でもきわめて個性的であった浦上玉堂(一七四五 一八二〇延享二年-文政三年)の筆になるもので、玉堂の小品の代表作といえるものである。構図には大作に見られがちな歪曲や誇張がなく、咫尺の画面の中にごく自然な遠近感を表現しつつ、大きく深い山水の景をおさめている。擦筆による土坡や山膚の地の陰影、渇筆による点苔や皴など、筆致は繊細をきわめ、玉堂画の特色を遺憾なく発揮している。おそらく七十歳前後の制作と思われ、玉堂の最も充実した作品の一つといえよう。
紙本墨画凍雲篩雪図〈浦上玉堂筆/〉
浦上玉堂
紙本墨画山水図〈浦上玉堂筆/〉
絹本淡彩山中結廬図〈浦上玉堂筆/寛政四年の自賛がある〉