片岡家は宇陀市の山間にある旧家で、江戸時代初期頃から大庄屋・庄屋・年預をつとめた家柄である。主屋は敷地中央に南面して建ち、居室部の東に客室部が取りつく。居室部は寛文10年(1670)の建築で、東側を土間、西側を床上部とし、全体は大きな入母屋造茅葺屋根とする。客室部は18世紀前半に建てられ、天明2年(1782)に玄関を建て替えると同時に改造されたとみられる。近世農村上層部の住宅として古いもののひとつであり、かつ建設年代が明らかなものとして貴重である。表門は主屋の東側に建つ長屋門で、主屋とともに屋敷構えの重要な要素を形成する。