『落葉集』はキリシタン版の辞書で、漢字の熟語、音、訓等を示し、また官職名、日本六十余州の国名を記した部分を含んでいる。四部構成からなり、(一)漢字を字音によって配列した本編「落葉集」、(二)訓により配列した「色葉字集」、(三)「百官并唐名之大概」「日本六十余州」、(四)部首により配列した「小玉篇」と目的に応じて編集されている。
この天理大学本は、近時現有に帰した新出本で、体裁は袋綴装、原表紙を欠くが本文は四部、全百十七紙を完存している。キリシタン版『落葉集』は大英図書館等にその存在が知られているが、日本国内に現存するもので本文を完存するのは本書が唯一のものである。本書は、他の諸本では一箇所にしかない「1598」の刊行年紀が二箇所にあるなど他の諸本との異同があり注目される。また「日本六十余州」に次いで、「諸国五畿内」と題し、諸国の郡名・田数を墨書した八丁がある。その末には慶長四年(一五九九)三月廿五日の跋文があるのは本書の大きな特徴で、本書の印行年代を明らかにしていて注目される。