岐阜県郡上郡八幡町那比の新宮神社は、高賀山六社の一つで、虚空蔵菩薩を信仰するものである。特に平安時代末から鎌倉時代にかけて特殊な信仰形態をとりながら広く信仰を集め、熊野の新宮になぞらえて薬師如来をあわせて本地仏としている。
当社に残される中世以来の神仏習合の信仰形態を表す一括資料は、仏像、梵音具のほかに、懸仏が200面以上あり、本資料を特徴付ける。最大60㎝を超える大型のものから、5㎝の小型のものまで大小様々な懸仏は、鎌倉初期から室町時代末までに製作され、奉納されたものである。それぞれに時代的特徴を顕著に表し、その表現変遷や信仰に関わる歴史的様相を知る上で重要な一括資料である。