朱漆輪花天目盆 しゅうるしりんかてんもくぼん

工芸品 / 室町

  • 室町 / 1455
  • 檜材製、漆塗りの高台付きの盆である。面・縁部は方形の板の四方に、縁を花形に造り出した四材を矧ぎ合わせて一〇弁の輪花形とする。縁の端部は紐縁状に造り出す。底には縁部の輪花形と木口を同形に造った一〇材を矧ぎ合わせて丈高い高台を造る。
     漆は矧ぎ目と面部周縁に布着せを施して下地を付け、中塗りには黒漆を、上塗りには朱漆を全面に塗って仕上げる。縁部に補修の後塗りが認められる。
  • 径49.8 高11.4 高台径42.8 高台高7.3(㎝)
  • 1面
  • 重文指定年月日:20040608
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 国(文化庁)
  • 国宝・重要文化財(美術品)

中世の社寺を中心に多く用いられた、朱漆塗りを主体とするいわゆる根来塗りの遺例である。こうした朱漆器には、折敷、高杯、瓶子などのような和様と、輪花形や華足といった装飾を伴う机、脚付盆のような、元・明代の器物類の影響を受けた唐様とがあるが、本件は後者の一例で、力強い曲面で構成された大型輪花盆の代表的優品として喧伝されている。
 銘文により作期の下限(享徳四年)が明らかであり、また文中に「天目盆」とあることから、こうした器物を天目盆と称していたことが判明する。この種の盆は、『慕帰絵』巻第五や『福富草紙』などの絵巻物に描かれているが、そこでは天目を載せた天目台が置き並べられており、本件も同様の用途に用いられたと考えられる。
 作行の優れた基準作であるとともに、名称や用途のわかる喫茶の歴史資料としても貴重である。なお同形同銘の盆が、奈良・西大寺に所蔵されており、両者がもと二点一具をなしていたことが明らかである。

朱漆輪花天目盆

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