竹釘は主に、檜皮葺【ひわだぶき】や柿葺【こけらぶき】の葺き材を止める釘として古くから使われてきた。檜皮や柿板を葺くための材として強さが要求されるが、水によって錆びる鉄釘では代用ができないため檜皮葺、柿葺には欠くことのできない材料である。竹釘はまた、葺き師がこれを大量に口に含み、一本一本口から出して葺き材を打ち止めていくため、強さと同時に、表面のなめらかさが要求されるのが特徴である。材である竹は、古くは真竹を用いていたが、現在では孟宗竹を用いている。
竹釘製作は、まず数本の竹籤【たけひご】を削り出す。この際、竹籤の角を数本同時に削って断面を八角形とし、一定の釘の太さに揃える必要があり、かなりの熟練が要求される。また、この数本の竹籤を一度に切断するが、このとき、釘先の角度を一定に切断するのにも熟練した技術が要求される。切断した竹釘は最後に焙煎して強度を増すとともに表面をなめらかにするが、尖った竹釘の先端の強度を弱めないように煎るには、長年の勘と経験を要する。