琵琶は,奈良時代以前に雅楽の楽器の一つとして伝来したが,平安時代には琵琶法師の手に渡り,鎌倉時代には『平家物語』を語り始め,室町時代にはその最盛期を迎えた。琵琶はその後,浄瑠璃の伴奏にも使われるようになるが,16世紀後半に三味線が伝来すると,その地位は三味線に取って代わられる。しかし,九州地方で琵琶は独自の展開を遂げ,そこから,江戸時代中期に薩摩(さつま)琵琶(びわ)が,明治時代中期に筑前(ちくぜん)琵琶(びわ)が生まれ,どちらも後に東京に紹介され,全国的地位を確立した。
薩摩琵琶と筑前琵琶は,近代化する日本の中で,西洋音楽の影響を余り受けず,伝統的な日本人の音楽的な感性に基づいて発展した音楽で,明治30年代から昭和初期にかけて全国的に流行するとともに,名人も輩出し,高い芸術性を獲得した。
このように琵琶は,芸術上価値が高く,芸能史上重要な地位を占めるものである。