善光寺式阿弥陀三尊(ぜんこうじしきあみださんぞん)の右脇侍像(みぎきょうじぞう)。横断面が八角形の宝冠を戴き、正面に水瓶(すいびょう)をあらわす。像高一尺が脇侍像の基準であるが、本像は七寸余りにとどまる。通形の脇侍像は胸前で両手の掌を合わせるが、本像では腹の位置に下げている。この形式は類例が少ないが、古くは甲斐善光寺の本尊脇侍像(1195年作)がある。頭部がやや小さな体形、目鼻立ちの整った優しい表情、やや厚みのある体奧など、鎌倉後期の様式をあらわす。鋳造技法も良好で、像内は膝下まで中型土(なかごづち)が残り、中央に板状の鉄心が埋まっている。
古玩逍遥 服部和彦氏寄贈 仏教工芸. 奈良国立博物館, 2007, p.18, no.3.