三岸節子の風景画には、ヴェネチアの風景など水辺の風景が多く見られるが、本作品でもセーヌ川に浮かぶサンルイ島を描いている。手前から欄干の黒い曲線、わずかに見えるセーヌ川、紅葉する木々と街並み、そして冬の到来を感じさせる冷たい空を層状に重ね、そこに欄干や樹の曲線と建物の垂直の線を加えて構図が作られている。三岸節子の作品の中では比較的数の少ない、パリの街を描いた作品である。
モンマルトルの家
三岸節子
細い運河
トネールの白い川