小濱神社宮司齋藤家が所蔵する文書。中世文書は殆ど失われ、近世初期の文書も火災(享和3年(1803)12月朔日社頭炎上)に遭って完全なものは少ない。しかし、天正11年(1583)の羽柴秀吉禁制は、賤ヶ岳合戦直後の秀吉の禁制として加賀に現存する数少ない原本である。同14年の前田利家黒印状2通、(年未詳)前田利長黒印状3通、同玉泉院(前田利長正室織田氏、永姫)黒印状2通、同前田利常黒印状5通及び寛永15年(1638)前田利常判物1通、元和3年(1617)加賀藩老臣連署制札1通等の存在は、藩主の祈祷所としての社格を示している。また、寛文12年(1672)を上限とする吉田家の許状・神道裁許状・啓状や、口宣案・位記写等がある。失われた文書の一部は、繰り返し作成された家譜に収録されていて、類推可能である。潟渕の村々の実相を示す文書が散逸したのは残念だが、内灘地域にとって最古の、内容的にも良質の文書群といえる。