馬場楠井手の鼻ぐり ばばくすいでのはなぐり

史跡

  • 熊本県
  • 「馬場楠井手」は、菊陽町馬場楠の取水口から熊本市渡鹿までの全長約12㎞、受益面積162.65haの現役の農業用水である。
    指定範囲は、取水口から約1.6km付近にある約400mの幹線水路、及び分水路である。この区間は、河岸段丘に添って阿蘇溶結(あそようけつ)凝灰岩(ぎょうかいがん)の岩盤が露出している。この岩盤を深さ約15m、最大幅約15mにわたってV字状に開削し用水路が造られている。その際、2m~9mの間隔で厚さ約1m、高さ約4mの隔壁を設け、その下部に幅約2mのかまぼこ型の「鼻ぐり」と呼ばれる穴を穿っており、24基が現存している。また、水路を開削する際に作業路として用いられた「中須山」を境に「分水路」、分水路から白川に排水する「吐き」が含まれる。
    開削された阿蘇溶結凝灰岩の岩盤は、Aso-2とされるもので、多穴質の中硬岩であるため、ツルハシのような加工具によって、人力での掘削が可能となっている。また、水が浸透しやすい特性から、底部には版築状に異なる二種類の土壌を突き固め、勾配調整と併せて漏水対策が施されている。「鼻ぐり」とは、その構造が牛の鼻輪を通す穴に似ていることが名称の由来とされている。この構造には岩盤掘削時の作業効率や作業時間の短縮、作業道としての利用、通水後には水流が穴にぶつかり渦となって土砂を巻き上げるため川底に土砂を溜めないなどの機能が考えられている。「鼻ぐり」は、当初は少なくとも69基が存在し、45基が後世に撤去されている。
    このうち上流側では、41基の「鼻ぐり」を撤去することで、「湾(わん)洞(どう)」を造り沈(ちん)砂(さ)機能を設け、ヨナを下流に流さないよう水質を調節している。また、「分(ぶん)水路(すいろ)」、「吐(は)き」を設置し白川へ余水を排出することで水量調整を行っている。このように、改変しつつ使用するという農業用水の遺構的性格が「鼻ぐり」の残欠、「分水路」から確認できる。
  • 熊本県菊池郡菊陽町大字辛川字妙見1347番2の内382平方メートル、
    同1349番1
    熊本県菊池郡菊陽町大字曲手字西鶴201番1、
    同201番2、
    同201番3、
    同201番4、
    同201番5、
    同201番6、
    熊本県菊池郡菊陽町大字曲手字山ノ上417番4の内246平方メートル、
    同417番5、
    同417番6、
    同417番8、
    同417番9、
    同417番10、
    同417番11、
    同417番17、
    同417番18、
    里道(菊陽町大字曲手字西鶴201番2地先から同201番7地先、菊陽町大字辛川字妙見1352番地先から菊陽町大字辛川字妙見1347番8地先)
    水路(菊陽町大字曲手字西鶴201番1地先から菊陽町大字辛川字妙見1347番8地先に接する水路)
  • 指定
    指定年月日:20190326
  • 記念物

馬場楠井手の鼻ぐり

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