宙吹き(ちゅうぶき)成形によるガラス製の吊行灯。正面にはオランダ東インド会社を意味するV.O.C.(Vereenigde Oost-Indische Compagnie)のモノグラムを、背面には根のある草花文を、グラヴュール(回転する車状工具でガラスの表面(ひょうめん)を削る技法)で加飾しています。モノグラムの輪郭は深く削り込み、内部は薄く研磨するようにして、彫り分けています。反対面には、花弁や葉の形をシルエット状に薄く削った後に、花脈や葉脈を深く削り込んだ、立体感に富む草花文が表わされています。18世紀後期の長崎製と推定されており、当時の宙吹き作例としては現存最大級と指摘されています。
「奉/東寺/勧智院僧正ヨリ頂戴」とある書付が残るとともに、「釣燈篭」「釣照闇」といった当時の呼称も確認できる点でも興味深い作品です。
【びいどろ・ぎやまん・ガラス】