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山を越す鳥 一面
近藤弘明
紙本著色
一四四・四×一一〇・六
昭和三十六年(一九六一)
東京国立近代美術館
作者寄贈
近藤弘明(一九二四〜)は、東京美術学校日本画科を卒業後山本丘人に師事して、創造美術展、新制作展に出品、受賞を重ねた。昭和四六年(一九七一)の第一回山種美術館賞展では「静夜」が優秀賞となる。近藤は東京下谷の正宝院という天台宗の寺に生まれたこともあって、彼の生涯にわたる作品の根底にあるのは、仏教的な宗教世界の存在であるといえる。それは経典に基づく仏教絵画というものとは違って、作者の個人的な宗教観を幻想的な風景の中に描くきわめて近代的な感覚の絵画となってたち現れている。編隊を組んで山を超えていく鳥たち。鳥といっても羽根は透けて重さを感じさせない。すべては作者の想像による産物であり、アトリエの中で自然と生き物とが幻想的に生成・融合されていった結果と見ることもできるだろう。昭和三十六年(一九六一)の第二五回新制作展の出品作。