岩田藤七 1893-1980
ガラス飛文平茶碗(がらす とびもん ひらぢゃわん)
ガラス/吹きガラス
h6.3, D18.2 1966年
IWATA Toshichi
Shallow glass tea bowl, bead pattern
glass/blowing
吹きガラスのやわらかなボディに無数の金の粒子と瑠璃色の班が浮かんでいる。成形時、ガラスに働いた作用そのままに、膨張と回転の様態が封じ込められたかと思わせる茶碗である。「色の岩田」と称された作家ではあるが、その作風は彩りの鮮やかさだけで語れるものではない。生前親しい人によれば、岩田藤七は「とにかくガラスに触っていた」がったのだという。金工、油絵、彫刻を何れもアカデミックな環境で学びながら、当時まだ造形芸術の領域に席を占めていなかったガラス制作に岩田を進ませたのは、冷え固まるまでのわずかな時間、さらに竿の介在というこの素材と技法との制約が築く道程にあるのだろう。フォルムの多くは運動性を強く留めるものだ。触知し得ない熱く溶けたガラスの暖昧な動きを確かめるかのように、色ガラスや金が追って不可分と化し、生み出された文様には「飛雲手」「墨流し」「吹雪」などの名が与えられた。
1893年 東京・日本橋生まれ、幼名・東次郎
1923年 東京美術学校金工科を終えた後に再入学した西洋画科を卒業、旧友の店で拭きガラスに興味を持ち、製法を学ぶ
1928年 第9回帝展以後3回連続して特選、初めは金工として出品していた
1954年 日本芸術院会員
1970年 文化功労者