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田中忠雄(1903−1995)
TANAKA,Tadao
基地のキリスト
Christ in a Base
1953年
油彩・キャンバス
162.0×131.7cm
東京国立近代美術館(作者寄贈)
1903年,札幌に生まれ,神戸で育つ。前田寛治に学ぶ。30−32年渡仏。戦前は二科展に発表し,戦後は行動美術協会の結成に参加した。敬虔なキリスト教徒であった田中は,聖書の主題を現代的に解釈した寓意画を描いた。この作品は立川の米軍基地を訪れた田中が,基地の周囲で兵士を相手に生活する女たちを見て,新約聖書「ヨハネによる福音書」8章に記されたローマ軍占領下のユダヤ国の人々を連想して描いたものである。基地を囲う鉄条網の前で,青衣のキリストが律法学者たちに「あなたがたのうちで罪を犯したことのない者が,この女に石を投げるがよい」と語っている。太い輪郭線による力強い構成はステンドグラスの現代的解釈にもみえる。(S.0.)