118 小磯良平(1903−1988) 練習場の踊子達 1938年
神戸生まれ。1922年東京美術学校西洋画科に入学し、藤島武二に学ぶ。在学中の25年、第6回帝展で《兄妹》が初入選、翌年第7回帝展で《T嬢の像》が特選となる。28−30年渡仏。36年猪熊弦一郎らとともに新制作派協会を結成、生涯出品を続ける。53年東京藝術大学教授。83年文化勲章を受章。
練習場の一隅でバレエのコスチュームを身につけた女性達がくつろいでいる。1930年代、小磯は踊り子や裁縫女を題材とした、自身が好んだ西洋画家の一人ドガを思わせる作品を多数残しており、本作品もその一つである。楽器を手に持ち踊り子達の間に立っている男性のモデルは、詩人で中学以来の親友である竹中郁だといわれている。小磯が群像表現に取り組み始めたのは本作品発表前年の第2回新制作派展出品作からで、本作品は彼の群像作品としてはごく初期のものであるが、その堅牢な画面構成には古典的な西洋絵画の学習成果が表れている。