風景

絵画 油彩画 / 大正

  • 清水登之  (1887-1945)
  • しみずとし
  • 1921(大正10)年
  • 油彩・キャンバス
  • 48.6×58.9
  • 額装

 中央下の垣根がかたどる逆八の字に応じて広がっていく景色をよく見れば、地形と建築、人物間の大きさの尺度はでたらめだし、それらをとらえる視線も、見上げたり見下ろしたりと、角度が一定していない。
 にもかかわらず画面は、緊密に呼応し合った小宇宙をなしている。これは、まず調子の暗さを統一し、その中で、茶、緑、グレーの各色面がかみ合うように隣接しながら、強引に空間を奥までリレーしていくためだろう。各色には白が、ハイライトないし単純化されたボリュームとして加えられ、稠密な塗りは上滑りしない。
 空間は、外の視点と切断されたものではない。視線が一歩一歩進むことで、空間が展開するのだ。 (石崎勝基)

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