工芸品 漆工 / 元
- 東京都
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元
- 木製合口造り、三段重ね八稜花形の重合子。総体を黒漆塗りとし、夜光貝とみられる薄貝螺鈿で加飾する。貝を肌理が粗い灰白色の下地に接着し、黒漆で塗り込め、剥出し法で貝を露出させる。
意匠は、蓋甲に楼閣の室内で身なりを整える女性の姿を表し、各側面には四稜花形の窓を設け、中には童子が戯れ遊ぶ嬰戯図を配する。地は、唐花唐草文で隈なく埋め尽くす。蓋甲の女性の机上には、重合子が置かれ、暗に本作が作中の女性の持ち物であるかのような画中画を思わせる婉曲な表現がみられる。一方で、緊密な意匠構成や、器表を隙間なく唐花唐草文で埋め尽くすやや煩瑣な感覚、稜花の形状は元時代にみられる傾向である。意匠、細工いずれも精緻な優品である。
- 総高29.0cm 口径23.8cm 底径19.6cm
- 1合
- 東京都文京区目白台1-1-1
- 重文指定年月日:20230627
国宝指定年月日:
登録年月日:
- 公益財団法人永青文庫
- 国宝・重要文化財(美術品)
木製合口造り、三段重ね八稜花形の重合子で、我が国に伝わる唐物の薄貝螺鈿として、製作年代が早い作例のひとつである。
総体を黒漆塗りとし、夜光貝とみられる薄貝螺鈿で加飾する。貝を肌理が粗い灰白色の下地に接着し、黒漆で塗り込め、剥出し法で貝を露出させる。
意匠は、蓋甲に楼閣の室内で身なりを整える女性の姿を表し、各側面には四稜花形の窓を設け、中には童子が戯れ遊ぶ嬰戯図を配する。地は、唐花唐草文で隈なく埋め尽くす。蓋甲の女性の机上には、重合子が置かれ、暗に本作が作中の女性の持ち物であるかのような画中画を思わせる婉曲な表現がみられ、南宋時代の余風を感じさせる。一方で、緊密な意匠構成や、器表を隙間なく唐花唐草文で埋め尽くすやや煩瑣な感覚、稜花の形状は元時代にみられる傾向である。意匠、細工いずれも精緻な優品である。
我が国では唐物漆器として重宝され、本作のような重合子は食籠として書院飾りに用いられた。西本願寺伝来。