愛媛県松山市出身の古茂田守介による静物画。守介は猪熊弦一郎や脇田和に師事し、新制作派協会で主に作品を発表した。兄の古茂田公雄も同じ洋画家である。
自宅にあった壺や水差し、テーブルを、限りなく抑えた重厚な色彩を用い、背景も水平な線のみの非常に単純な構図で描いている。身近なモチーフながら、ものの存在そのものが作品から浮き出してくるような、不思議な魅力を感じる作品となっている。守介は、真摯に目の前の対象と向き合い、卓越した観察力で形態を的確にとらえ、生き生きとした線で表現した。美術雑誌『美術手帖』では、「壺を描くことはたやすいかもしれないが、人に何かを伝える壺を描くことは困難な仕事である」と評されている。