この図は、松浦武四郎が明治15年(1883)に、かつて蝦夷地調査の際に描いた旧作を記録のために再度描いたもののようである。絵の中に「風餐雨臥了吾願編喜蠻荒齎命還木弊削来挽蘇脆雲間遙拝亜寒山壬午夏繪併録蝦夷途上舊作北海道人弘」と書かれている。この内容から阿寒岳の見える地域でのアイヌの人たちの霊送りについて詠まれていることがうかがえる。
描かれている内容を見ると、アイヌの人たちが列をなして踊っている様子が描かれている。送り儀礼の場合輪になって踊るのが一般的で、このように列をなして踊るのは珍しい。画面右上には鹿らしきものが描かれ、右下ではイナウをつくり霊送りを行う準備をしているようで、詩の内容と合致する。