昭和5年、大観は、ローマでの日本美術展開催にあたりイタリアに赴いた。この作品は、その渡航時、シンガポールに寄港した際に見た光景を描いたものである。船の乗客が放ったコインを、海中にもぐって拾う現地の少年たちの姿が、当時乗客たちの興味をひいたという。小品ながら、水墨の軽妙な筆づかいで人物の動きが捉えられた、旅の記念ともいえる作品である。
ローマの春
横山大観
夜
午下り