東寺光明真言講は、弘法大師信仰を背景として東寺僧や周辺住人を中心に形成された信仰集団であり、逆修と追善供養を行った。
過去帳は追善供養の対象を記し、現在帳は逆修の対象となる講の参加者を記す。追善供養の対象は、講の参加者だけでなく東寺に縁故の深い人々も列挙する。
また、過去帳には争乱や災害で横死した人々の記事を掲げ、その供養を行っているため、各時代の世相や事件を伝える史料としても価値が高い。
本帳は南北朝時代から江戸時代後期まで書き継がれているが、正徳年間(1711~1716)にはそれまでの過去帳・現在帳(古本)を転写した新本が作成されている。附の文書箱には新本を作成する際の様子が記される。
本帳は、中近世の東寺における信仰活動の実態を示す史料であり、宗教史上、価値が高い。