歴史資料/書跡・典籍/古文書 文書・書籍 / 明治 大正 昭和以降 清 近現代
本資料は明治二十八年(一八九五)から昭和二十年(一九四五)にかけて我が国の統治下に置かれた外地等における学校教育で用いられた教科書類のコレクションである。これらは、教科書の収集家として知られる久米幹男が現地にて直接購入したものなどで、実際に生徒等が使用したものが大半である。後に国内外の教科書の収集・保存に努めていた玉川大学に有償譲渡された。
外地での初等・中等教育においては日本語の教授、徳育、生活に必要な知識・技能の習得を、高等教育・専門(実業・職業)教育においては教員養成、各分野の技能者の養成を目的として統治機関等において各種教科書が発行された。これらの教科書群は、教科書内で取り上げる人物や事柄などに各地域にとって一般的な名前を採用したり、地域の慣習、風土に即した内容にするなど教科書使用者の理解の促進を考慮していた傾向がみられる。
本教科書群の地域別の内訳は、台湾四、〇〇六点、朝鮮八、四四七点、満洲二五二点、南洋諸島等二三点である。
台湾関係の教科書は、台湾総督府発行の初等・中等教育用の教科書がほとんどである。大半は台湾人子弟用が大半で、習字・書方九八二冊、国語読本八七〇冊などが多い。
朝鮮関係の教科書は、朝鮮総督府発行の初等・中等教育用が大部分を占め、朝鮮人国語読本二、一四八冊、修身一、〇九七冊などが特に多い。
満洲関係の教科書の言語は日・満・漢にわたり、国語(日本語・中国語)読本が多い。官民合わせて多くの機関から発行されるなど複雑な過程を経た満洲統治の有り様を反映する。
南洋庁等関係では、日本の委任統治領となった南洋諸島を中心に、日本人移民の多いハワイなどで使用された教科書も含まれる。
本資料群は、質・量ともに我が国最大の外地教科書群であり、日本教育史、近代東アジア関係史、植民地教育史、日本語教育史、言語政策史などのまとまった研究史料である。