春日社寺曼荼羅 かすがしゃじまんだら

絵画 / 室町

  • 室町時代
  • 絹本着色
  • 104.6㎝×45.0㎝
  • 1幅
  • 横浜市鶴見区
  • 指定年月日:令和7年12月25日
  • 大本山總持寺
  • 横浜市指定

古来、宮廷貴紳の間では、奈良の春日権現への信仰が根強く、特に藤原氏は祖神として、その崇敬の念はことさら篤いものがあった。この神の宿る神域や春日野を図絵した春日曼荼羅を本尊として自邸に掛け礼拝の対象として用いた。
春日曼荼羅は、春日社の社域および社殿や御蓋山を中心に描いた春日宮曼荼羅が基本だが、さらに春日鹿曼荼羅や春日社寺曼荼羅などがある。本図はほぼ上半部に春日の神域を描く宮曼荼羅と、下部には春日社を管掌した興福寺の各伽藍の本尊を付加するという、春日社寺曼荼羅の形式をとる。さらに裏書からは市井の春日講で制作使用されたことがわかる点でも重要である。
このような銘記がそのまま残されている作品は珍しく、今は消滅しつつある多く存在した春日講の存在を知らしめる上で、重要である。本図は室町前期の制作とは言え、南都(奈良)絵師の高い技量を示しており、銘記の存在から当時の基準作に値するものである。さらにその社会的背景を考察する上でも、大きな意義を持っている。日本に深く根付いた春日信仰の形態と造形を知らしめる基準作品という普遍的な価値において、市指定文化財にふさわしい作品といえよう。

春日社寺曼荼羅

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