米沢市の笹野(ささの)山(やま)東麓に位置する真言宗豊山派の寺院である。置賜(おきたま)三十三観音霊場の第19番札所・笹野観音として広く信仰を集める。観音堂は、置賜一円で活躍した渋谷嘉蔵など4名の大工棟梁により天保14年(1843)に上棟し、彫物師として庄内の後藤藤吉などが関わった。入母屋造平入の大型三間堂で、軒唐破風を付けた入母屋造妻入の向拝を付し、屋根全体を厚い茅で葺く。東北地方では珍しく正面の外陣を開放し、外陣と向拝が形成する広い参拝空間を豊富な彫刻で飾る。当地における江戸末期の観音堂のあり方を知る上で重要。県下では置賜地方に分布する江戸後末期の装飾豊富な寺社建築の代表でもある。豊富な造営資料により建築の経緯や大工などが明らかである点も貴重。