阿弥陀は仏教の中で如来に属するもので、如来には釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来がある。阿弥陀は西方極楽浄土の主であり、浄土宗・浄土真宗では、極楽往生を願って南無阿弥陀仏と唱えれば必ず極楽へ行けると説いている。また、人々の臨終を迎えに来る光景を来迎図という。
ここで描かれているのは、三幅対仕立ての阿弥陀来迎図で、中央の軸に気品のある阿弥陀が大きく描かれ、左右には楽器を手にした菩薩たちが彩り美しく描かれている。各楽器や菩薩のつけている冠など、細部にわたって装飾が描かれ、画面にいっそう華やかさを加えた。菩薩というよりはむしろ天女のような相貌で、その横顔はロマンティシズムにあふれ美しい。得も言われぬメロディが画面いっぱいから聞こえてくるようである。
しかし、当作品は第7回文展に中幅だけ名称を変えて入選したというものであり、当時の文展の審査の方法や運営方針などが問題とされていた時期の出品であった。
寛方がインドへ渡る前の作品であるが、楽器等各所に大陸的な文様が取り入れられ、寛方のインドへの憧憬の念がうかがえる。