那智神瀧(なちしんりゅう)

絵画 日本画

  • 中村岳陵  (1890-1969)
  • ナカムラ、ガクリョウ
  • 昭和42年 / 1967
  • 彩色・紙本・額・1面
  • 161.5×96.0
  • 左下に印章
  • 9回新日展 東京都美術館 1967

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那智神滝   一面

中村岳陵

紙本著色
縦一六一・五 横九六・〇
昭和四十二年(一九六七)
東京国立近代美術館
作者寄贈
                         
那智の滝は、それ自体が熊野那智大社の別院飛滝神社のご神体であり、その姿を描くということは古くは垂迹画といって神体化した飛滝権現を歓得することであった。つまりこの滝は神であり仏でもあるのだ。古来一度たりとも洞れることがないという豊潤な水量がはなつ地響きに似た滝音に身を委ねれば、現代のわれわれでさえその神秘を神や仏の名を借りても表現したくなる。中村岳陵(一人九〇〜一九六九)は滝が見える青岸渡寺の宿坊に二週間逗留して、写生を重ねた。自ずと敬虔な気持ちをもって滝に全てを集中させた画家の姿が想像される。川辺御楯に師事しやまと絵を学んだ岳陵は、古典絵画に傾倒した作品を発表した後、昭和五年(一九三〇)福田平八郎らとともに六潮会を結成。戦前から戦後にかけては現代的風俗やモダニズム的作品を発表した。昭和二十五年日本美術院を脱退して以後は日展に出品。本図は最後の日展出品作となるが、七十七歳という年齢を感じさせず、色彩、造形感覚ともに潑剌として見える。(古田 亮)

那智神瀧(なちしんりゅう)

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