2. 法的事項

 

 3カ所の集落は、文化財保護法(1950年8月29日施行、以下「法」という)第2条および第83条の4による「重要伝統的建造物群保存地区」である。
それぞれの保存地区名称および選定年月日は下記の通りである。

保存地区名称 選定年月日
白川村荻町伝統的建造物群保存地区 1976年9月4日
平村相倉伝統的建造物群保存地区 1994年12月21日
上平村菅沼伝統的建造物群保存地区 1994年12月21日

 「伝統的建造物群」は1975年7月の法改正に際して加えられた文化財の新しい概念であり、法第2条に「周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの」と定義されている。さらに伝統的建造物群は、法第83条の2および3によって、その文化財の所在する市町村が条例を定め、その条例の規定により伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という)を定めて保存することとなっている。
 条例では保存地区の決定のほか、下記の項目について規定している。

1)保存の方針、方法等を定めた「保存計画」の策定
2)保存地区内の建築物、土地、樹木等の現状変更の行為の規制
3)同上規制に関わる許可の基準
4)建造物および環境を保存するために必要な経費の補助
5)伝統的建造物群保存地区保存審議会の設置と委員の構成
6)違反行為者に対する罰則
7)その他

上記の「保存計画」には下記の内容が含まれる。
1)保存の基本計画(保存地区の歴史、現況、集落構成の特徴、伝統的建造物群の特性と環境物件、保存の基本方針、保存地区の決定とその範囲を示す図)
2)保存地区内の保存すべき伝統的建造物および環境物件の決定およびその位置を示す図
3)建造物および環境を保存するために必要な経費の補助の詳細
4)保存地区内の伝統的建造物、環境物件およびその他の建造物、物件等の保存整備計画
5)保存に必要な管理施設、防災施設等の設置および環境整備計画

 保存を担当する市町村の教育委員会は、保存地区の決定や保存計画の策定をはじめ、保存地区の保存に関する重要な事項等については、審議会の意見を聴いて実施しなければならないことになっている。
 また、文化庁長官または都道府県の教育委員会は、市町村に対し、保存地区の保存に関して必要な指導または助言をすることができる(法第83条の3の5項)。さらに、国は、市町村の申し出に基づき、わが国にとってその価値が特に高い保存地区を重要伝統的建造物群保存地区として選定することができ(法第83条の4)、選定した保存地区の保存のために市町村が行う措置について、その経費の一部を補助することができる。
 3集落はいずれも各村の条例により保存地区に決定されており、策定された保存計画によって適切に保存されている。また、3集落のうち、荻町集落は1976年9月に、相倉集落と菅沼集落は1994年12月に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
 なお、相倉集落および菅沼集落とその周辺の地域は、1970年12月に法第69条の規定による国の史跡に指定され、歴史的集落とその周辺の環境の保存が図られてきた。指定された史跡の所有者は史跡を適切に管理する義務があり(法第75条)、国は適切な管理、復旧のための命令または勧告を行うことができる(法第76条、77条)。また、史跡指定地内の現状を変更する行為は制限され、国の許可を受けなければならない(法第80条)。
 法第3条3項によって、文化財の所有者その他の関係者は、文化財の公開と活用に務めることを義務づけられている。3地区の保存計画には保存地区内に見学者のための説明板や案内板、駐車場などの設置の計画のほか、伝統的建造物を買上げまたは借上げて一般公開に務めることが定められている。3地区とも地区内には自由に入ることは可能で、それぞれの地区内外の隣接地には案内板や公開家屋、伝統的建造物を利用した資料館等が設置され、見学者の利用に供している。また、見学者のための駐車場(除雪、融雪用空地を兼ねる)を保存地区の入口、または地区外に設置して、保存地区内に自動車が入らないように誘導している。なお、荻町集落と菅沼集落では、保存地区の近くに他の集落で廃屋となった伝統的建造物を集めて野外博物館や宿泊、研修施設とし、同種の建物の内部を見学できるようにしている。

付属資料4
資産内外の法的区分図
4a. 3集落全体
4b. 荻町集落
4c. 相倉集落
4d. 菅沼集落

付属資料9
保存管理施設図(来訪者のための便益施設図)
9a. 荻町集落
9b. 相倉集落
9c. 菅沼集落

付属資料11
官報告示写し
荻町集落
11a(1). 官報告示写し
11a(2). 官報告示写し
相倉集落
11b(1). 官報告示写し
11b(2). 官報告示写し
菅沼集落
11c(1). 官報告示写し
11c(2). 官報告示写し

別添参考資料1
文化財保護法

別添参考資料2
2a. 白川村伝統的建造物群保存地区保存条例
2b. 白川村荻町伝統的建造物群保存地区保存計画

別添参考資料3
3a. 平村伝統的建造物群保存地区保存条例
3b. 平村相倉伝統的建造物群保存地区保存計画

別添参考資料4
4a. 上平村伝統的建造物群保存地区保存条例
4b. 上平村菅沼伝統的建造物群保存地区保存計画


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