c) 保存修復のための措置及び管理計画 i) 保存地区内の伝統的建造物の保存と地区の整備計画

 3地区内の歴史的景観を構成する伝統的建造物は、保存計画にリストされ、その適切な維持管理が義務づけられていて、現状の変更は厳しく規制されている。また、その他の建築物の新築・改築等も原則禁止とされ、許可される場合も地区内の歴史的風致に調和した形態が求められる。これらの規制に対応して、伝統的建造物の保存のための修理や歴史的風致にそぐわない建築物の修景等の事業には、村の助成が用意されている。保存地区の保存や一般への公開に必要な防災施設や管理施設などはすでに設置済みのものが多いが、今後も保存計画に基づいた整備が予定されている。
 これらの詳細は各村の保存計画の「第3章 保存地区内における建造物及びその他の物件の保存整備計画」「第4章 建造物及び環境物件に係わる助成等」「第5章 保存地区の保存のために必要な施設・設備の設置ならびに環境整備計画」に記載されている。

ii) 耕作地等の保存

 3地区とも伝統的建造物の周囲にある水路や樹木、水田等の耕作地が集落景観の重要な要素となっている。これらのうち、主要な水路や樹木は環境物件として保存計画にリストされ、その保存が義務づけられていて、現状の変更は厳しく制限されている。その他の耕作地や自然物等についても保存条例によって、土地の形質の変更、木竹の伐採、土石類の採取、水面の埋立てや干拓が規制されている(第6条および7条)ので、自由に変更することはできない。
 3地区内の耕作地は、農地法によって農地以外に転用することは厳しく制限されている。また、荻町地区と菅沼地区は「農業振興地域の整備に関する法律」によって農業振興地域に指定されていて、地域内における土地の農業上の用途区分の変更は規制されているので水田や畑等を自由に他の用途に転用することはできないほか、宅地の造成や工作物の新築・改築等の開発行為は制限されている。また、史跡に指定されている相倉と菅沼集落は、全ての建造物、環境物の現状の変更が許可の対象であり、水田や畑等の他の用途への変更は認められていない。


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