199 ライリー、ブリジット(1931− ) 讃歌 1973年
ロンドン生まれ。ゴールドスミス・カレッジ、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学ぶ。最初印象派風の具象画を制作していたが、ジョルジュ・スーラの影響を受け視覚効果を追究、点や曲線による錯視効果の絵画を描き始め、1965年のニューヨーク近代美術館の企画展「応答する眼」に出品すると、ヴィクトル・ヴァザルリとともにオプティカル・アートの代表作家とみなされた。68年のヴェネツィア・ビエンナーレで絵画部門国際賞を受賞するなど国際的に高い評価を得ている。
1960年代初めには白、黒、グレーに限られていたライリーの色彩は67年頃より三色、五色と増えていき、錯視効果は弱まったが、より微妙で深みのある画面が生み出されていった。なかでもこの《讃歌》を含むストライプの作品群は、技術的な追究にすぎないと否定的に語られたオプティカル・アートの枠組みを乗り越え、彼女の代表作となる。色彩の追究のために、形態としてニュートラルなストライプを用いたと本人が述べる通り、視線を集中するうちに、赤、青、緑といったストライプはまさに「色そのもの」として優美に光輝きだす。