絵画 日本画

  • 福田平八郎  (1892-1974)
  • フクダ、ヘイハチロウ
  • 昭和28年 / 1953
  • 彩色・紙本・額・1面
  • 108.7×86.5
  • 9回日展 東京都美術館 1953

36

Rain
1953年
紙本彩色・額 108.7×86.5cm
写実から出て装飾的な美の世界を構築することをめざした福田平八郎の芸術の特徴をよく示しており、ほとんど単色に近い色彩と極端に単純化された形で、自然の情景をじつにこまやかにとらえている。画家自身、こう語っている。「二階の画室のすぐ目の下に屋根瓦があり、ふだんからその縦と横の線の組み含わせの面白さになんとなく興味を持っていた。ある日、タ立が来るなと窓を開けてみると、もう大きな雨粒がぽつぽつと落ち始めていた。雨粒は真夏の太陽に熱せられた瓦の上で、大きな雨脚を残しては消え、残しては消えてゆく。それは生き物の足跡のようにも思われて心を打たれた」。
この光景を見たことが《雨》を描く動機となったが、最後に瓦の構成を主とし、雨を副として仕上げたという。鉛筆淡彩による素描がかなりの量残っているが、それを見ると、はじめは屋根瓦の形や雨脚の状態を忠実に描いている。素描を重ねながらしだいに説明的な要素を省き、究極的には瓦を主体に凝縮した形に要約するのである。第9回日展に出品された。

雨

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