歴史資料/書跡・典籍/古文書 / 鎌倉 南北朝 室町 安土・桃山 江戸
諸国の関所等の関料免除を定めた海上通行証で、鎌倉幕府の執権北条時宗(一二五一~八四)が、文永九年(一二七一)二月、北条氏得宗領であった若狭国守護領内多烏浦(現福井県小浜市)の船徳勝に与えたものである。麻布の上部には北条氏家紋とされる三鱗紋があり、上端には丸竹が縫い込まれ、船旗として使用されていた姿をもとのまま伝えている。鎌倉時代中期に多烏住人が広汎な地域にわたって商業活動をしていたことを示す海上通行証の現存する最古の遺品である。
文書は、この船旗を伝えた秦家の当時の地位、網場の形態、浦の実態などを示したもので、中世前期の漁村史料としてまとまっている。