黒漆瓶子 こくしつへいし

工芸品 / 南北朝

  • 南北朝時代 / 1346
  • 大きく立ち上がった筒形の注口を有し、肩が強く張り、裾をややしぼって平底とした欅材製の漆塗り瓶子である。胴部の上下と頸部を轆轤挽き成形によって分造し、各々を接合した後、錆下地を施してから接合部に布着せし、総体を黒漆塗りとしている。口には縁紐をつくり、肩と裾に三条一組の廻線を彫り巡らし、口縁および肩と裾の廻線は朱漆塗りとする。
  • ①高33.6 口径12.2 胴径25.3 底径14.4(㎝)
    ②高33.3 口径12.0 胴径25.0 底径15.1(㎝)
  • 一対
  • 重文指定年月日:20000627
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 惣社水分神社
  • 国宝・重要文化財(美術品)

貞和二年(一三四六)に奉納され、神饌具【しんせんぐ】として神前に供えられた酒器として知られる。
 本品は注口が広く、通例の瓶子とはやや異なるが、一三・一四世紀ころに中国より将来した白磁・青磁瓶子と共通する形態であり、南北朝時代の特徴の一つと考えられる。また、〓漆【きゅうしつ】は元徳二年(一三三〇)銘をもつ重文・木製黒漆油壺(奈良・東大寺蔵)との共通性が認められる。
 堅牢な漆塗りが施された比較的保存の良い作品で、用途・伝来・製作期が明らかでかつ現存最古の紀年銘をもつ木製漆塗り瓶子の基準作として貴重な遺例である。

黒漆瓶子

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