二世池坊専好は江戸時代初期、元和初年から明暦年間にかけて活躍し、近世立花の新様式を確立した。この曼殊院本は元和三年(一六一七)五月から明暦二年(一六五六)十一月に至る専好立花図四十二図を存している。このうち元和三年五月から寛永五年六月に至る十四図、および承応三年から明暦二年に至る七図は、他に同図の伝来がなく、専好の初期と晩期の作品を伝えた唯一の立花図として珍しい。これらの立花図は、数次にわたって収集、整理されたもので、当座の写生図に次ぐ転写本と推定されるが、最盛期における専好立花の姿を具体的に伝え、池坊本とともに近世文化資料として価値が高い。