色絵花鳥文八角大壺〈伊万里/〉
いろえかちょうもんはっかくだいこ
工芸品 / 江戸
- 東京都
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江戸時代 / 1601-1700
- 伊万里磁器の中で輸出用の最高級色絵磁器として発展した柿右衛門様式の球形の鈕を有する整った半球形の蓋を伴う大型の八角色絵大壺である。白磁質の素地で、身の高台、口辺の内面、蓋の内面縁を除いた全面に淡い青みを有する透明釉を掛けるが、胴の一部に縦長の貫入がみられる。
身の胴部は厚く轆轤挽きしたのち八面に面取りし、口頸部は板造りで八角に仕上げ、高台は削り出しで外側は竹節状とする。蓋は落し蓋とし、縁を身に合わせ八角に仕上げる。
身の頸には剣先文を、肩には牡丹を四方に配した唐草文をそれぞれ描く。胴には相対する各二面ずつに、岩から伸びる菊、大湖石から伸びる竹に小鳥、岩から伸びる牡丹、大湖石から伸びる梅に小鳥の図様を比較的余白をとって配し、黒の輪郭線を用い、赤・黄・緑・青の上絵具で賦彩する。蓋甲には身の肩と同じく牡丹を四方に配した唐草文を、縁には身の頸と同じく剣先文をそれぞれ描き、鈕には菊花を配し、身と同じく黒の輪郭線を用い、赤・黄・緑・青の上絵具で賦彩する。
- 通高61.5 身高48.1 口径17.9 胴径39.5 高台径17.1(㎝)
- 1口
- 東京都三鷹市大沢三丁目10-31
- 重文指定年月日:20000627
国宝指定年月日:
登録年月日:
- 財団法人出光美術館
- 国宝・重要文化財(美術品)
柿右衛門様式の色絵磁器は一七世紀中ごろ以降、オランダ東インド会社によってヨーロッパに輸出された。本作品も、かつてヨーロッパに輸出され近年里帰りしたものである。
共蓋で高さ六〇センチメートルを超す大作ながら、端正な形姿【けいし】を示し、柿右衛門様式で最も好んで用いられた花鳥文の図様が、濁手【にごして】に近い白の素地に、余白を残して、赤の上絵具を効果的に用い、青・緑・黄の上絵具で軽快かつ優美に描かれる。
瀟洒【しょうしゃ】な雰囲気をもつ洗練された色絵は、柿右衛門様式の完成・最盛期である延宝年間から元禄年間の作と考えられる。
本作品は、八角大壺という類例の少ない器形をなし、日本国内では最大の柿右衛門様式の製品で、同様式色絵磁器を代表する優品である。