本作品は長らく埴輪を描いた作品と考えられてきたが、実はガラス作品がモチーフになっていることが分かった。節子と親交が深かったガラス工芸家・淡島雅吉(1913-1979)が、節子から「≺二つの像≻は昨年頂きました二つのガラスがヒントとなって出来ました」という手紙を受け取ったと語っており(「芸術新潮」1970年1月号)、当館の土蔵展示室に展示している節子愛蔵の淡島作品≺オブジェ≻ともよく似た形をしている。描かれたそれぞれの形は背景のシャープな色面構成の中で抽象化し、薄塗りと細かな引っかき線による表現で像が描き出され、白と黒と茶色の色面の中にマチエールの変化をもたらしている。渋めの色調と簡潔で横長の構図は、どこか屏風絵を思わせ、東洋的な雰囲気を感じさせる。