金銀藍絵松樹文蓋物〈尾形乾山作/〉
きんぎんあいえしょうじゅもんふたもの〈おがたけんざんさく〉
工芸品 / 江戸
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尾形乾山
- 東京都
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江戸
- 被蓋造り、四方撫角の蓋物で、その姿は漆器などの蓋物に倣って乾山が初めて陶器に用いた形である。素地は鉄分を含み、赤みを帯びたざっくりした陶土を用いる。蓋表はこの土味を生かしながら右半と左下に簡略に図案化した松樹数本を金泥・銀泥・白泥・呉須で色替りに重ね描く。これに対して内面は厚く白化粧した地に金泥と呉須で波文を速い筆勢で軽やかに表現している。身の底裏は露胎で、中央に大きく「乾山」の銘を銹絵具で署している。
- 総高6.8
蓋 縦23.8 横23.3 高4.4
身 縦20.9 横20.5 高4.7 (㎝)
- 1合
- 三鷹市大沢三丁目10番31号
- 重文指定年月日:19870606
国宝指定年月日:
登録年月日:
- 財団法人出光美術館
- 国宝・重要文化財(美術品)
尾形乾山(一六六三-一七四三)は、画家光琳を兄にもち、自らも芸術的天分に恵まれて書画にも通じたが、特に陶芸で才能を発揮した。乾山は元禄一二年(一六九九)京都の鳴滝に開窯して以来、銹絵・染付・色絵などの技法や意匠に創意を凝らし、また兄光琳との合作を試みるなど多彩な陶芸活動を行い、独創的な作品を創作した。
乾山の同種の作行きの蓋物は、これの他に梅花文や薄文など計四合が知られているが、なかでもこれは洗練された意匠を示している。静的な松樹の蓋をあけると、見込の動的な波文が目に入ってくる。この波文は筆が速く、流暢な表現であることから、兄光琳の筆とする説もある。この蓋物にどこまで光琳が関与したかは明らかでないが、ともあれ、乾山の多彩な作品のなかでも優雅な趣きをもち、意匠の傑出した作品である。