木造二天王立像(所在楼門)

彫刻 / 鎌倉

  • 鎌倉 / 1279
  • 2躯
  • 重文指定年月日:19960627
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 天野山金剛寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 楼門(重要文化財)に正面向きに安置される半丈六の二天王像である。片手を振り上げて武器を執り、邪鬼を踏む姿が対称的に表されている。平成三年から五年にかけて行われた解体修理に際して像内から発見された墨書銘により、弘安二年(一二七九)、大仏師法橋正快等により造立され、本寺学頭賢念らの僧侶が関わっていることが判明した。銘には両像の尊名をあらわす種子・真言も記され、持国・増長天像であることも明らかになった。
 各像とも頭体幹部を通して大略前後トチの二材より造る構造になる。玉眼嵌入。表面は彩色仕上げとするが現状はほとんど剥落している。
 仏師名のうち僧定喜は正安四年(一三〇二)に京都・神護寺板彫弘法大師像(重要文化財)を造った法眼定喜と同一人物である可能性がある。他については知られるところがないが、三メートル近い巨像を破綻なくまとめ上げた造形力には、正快の当代仏師としての高い技量が示されている。
 本像を安置する楼門は鎌倉後期の建立とされ、本一具はここに安置されるべく門と同時に造られたものであろう。寺院の門に二天王像を置く例は記録には奈良時代以来多く知られるが、その現存例はあまりなく、本像は門を守護するために造られた二天像としては唯一の確証のある例といってよい。その基準作例として、また二天の尊名を確かめられる稀有の遺品としても重要な存在といえよう。長年風雨にさらされる環境にありながら、ともに邪鬼や足許の一部が補作に代わるほかは原容がほとんどそこなわれることなく伝えられているのも貴重である。

木造二天王立像(所在楼門)

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