ランチェロの唄

絵画 油彩画

  • 北川民次  (1894-1989)
  • キタガワ、タミジ
  • 昭和13年 / 1938
  • テンペラ・紙・額・1面
  • 161.5×130.0
  • 左下に署名、年記
  • 25回二科展 東京府美術館 1938

109 北川民次(1894−1989) ランチェロの唄 1938年
 静岡県生まれ。1914年に渡米、18年よりニューヨークのアート・ステューデンツ・リーグに学ぶ。21年メキシコに渡り、25年トラルパム、32年タスコの野外美術学校で教える。36年に帰国、翌年より二科展に出品するかたわら美術教育に長く携わった。
 《ランチェロの唄》は1938年の第25回二科展出品作。ランチェロとはメキシコで農民の意。出品当時の題名は《メキシコ舞踏図》であった。一見メキシコの風俗を描いたように見えるが、歌を歌う男の傍に銃が描かれていることからもうかがえるように、実は第二次世界大戦前の日本の世相への皮肉が込められている。また画面上端の“ASNO DE ORO”は「黄金の驢馬」の意で、古代ローマのアプレイウスに同題の小説がある。ロバに変身してしまった若者が人間世界の醜いさまを見せつけられる話である。彼が帰国した当時の日本は軍国主義が台頭し戦争へと向かう時期であり、彼は本作品以降、当時の社会への批判を作品を通じて表現していった。

ランチェロの唄

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